この一連の記事では,「こういう効果を得るためにサプリメントを飲んでいる」と根拠を持ってサプリメントを選ぶために必要な知識を説明しています.
今回の記事では,筋肉を使うときに必要となる「クレアチン」について書いていきます.
筋トレにあまり関心のない人には馴染みのない「クレアチン」ですが,実は「クレアチン」はもともと我々の筋肉の中に存在しており,筋肉を使うときに非常に重要な役割を果たします.
クレアチンを摂取することによって
- 瞬発力が上がる
- 瞬発力が持続する
といった効果が得られます.
一連の記事はこちら
【筋トレの効果を最大にする|3種のプロテインを使い分けよう!】
【瞬発力をつける/高負荷のトレーニングにはクレアチンが鉄板!】←今の記事
【筋トレの効果を上げる裏技!?|HMBはこれだから凄い!】
クレアチンの効果
それではまずクレアチンの効果を説明します.
クレアチンの効果の例
前回の記事で説明したプロテインは筋肉を増やすときに有効なサプリメントなので,効果が目に見えて実感しやすいサプリメントです.
一方,「クレアチン」はプロテインのように効果が見た目で分かるものではありません.
しかし,クレアチンは筋肉の潜在能力を最大限まで引き出すことができるサプリメントであり,スポーツや筋トレなどでの「キツくなってからの最後の踏ん張り」が強くなります.
例えば,高負荷の筋トレをしているとついにはウェイトが上がらなくなってきますが,あのギリギリの状態からもう1,2回上げられるようになるサプリメントがクレアチンです.
どうですか?めっちゃ魅力的じゃないですか?笑
私の実体験
以前,「クレアチン」の存在は知っているが,どのような効果が得られるのか知らず敬遠していた時期がありました.
ですが,食わず嫌いは良くないと「クレアチン」を調べたところ,どうやら疲れてきても最後まで力を出し切ることができるサプリメントと分かり,柔道をしていた私は期待を込めてクレアチンを飲み始めました.
柔道には「乱取り」という実戦形式の練習がありますが,最後の最後にはヘロヘロになってなかなか力が入らないんですね.
しかし,クレアチンを飲み始めて2,3週間ほどすると,最後の最後まで踏ん張りが効くんですね.
最後の最後になっても,まだ力が入るんです.
このように,クレアチンはパワーを生み出すエネルギー源となる栄養素で,最後の最後までパフォーマンスを1段階に上げてくれるサプリメントです.
クレアチンを摂取することによって,疲れてきても最後まで筋肉の潜在力を発揮させることができる.
クレアチンのはたらき
クレアチンのはたらきを説明するためには,まず「ATP」と「ADP」についての説明から入ります.
ATPとADPって何?
ATPとは「アデノシン3リン酸」のことで,英語表記
“Adenosine Triphosphate”
の略で,もう1つのADPは「アデノシン2リン酸」のことで,英語表記
“Adenosine Diphosphate”
の略です.
こう書くと「うへえ」と思ってしまいますが,
- ATPはリン酸が3個くっついている
- ADPはリン酸が2個くっついている
というだけの違いです.
そして,ATPとADPについては,以下のように説明できます.
- ATPは筋肉を動かすために必要なもの
- ADPは筋肉を動かしたあとにATPが変化したもの
です.つまり,
筋肉中のATPによって
↓
筋肉を動かし
↓
ATPがADPに変化する
となります.
疲れてきて筋肉が動かなくなってくるのは,このようにATPが消費されてADPに変化してしまうことが原因です.
したがって,さらに筋肉を動かそうとすれば,新たにATPをどこかから持ってくるか,体内で生成する必要があります.
クレアチンって何?
ここで,「クレアチン」の出番となります.ちなみに,「クレアチン」の正式な名前は
「メチルグリコシアミン(1-メチルグアニジノ酢酸)」
です.
我々がクレアチンを吸収すると,体内で「クレアチンリン酸(4-ホスホクレアチン)」という物質に変わり,この「クレアチンリン酸」が,ADPをATPに変換する役割を果たします.
したがって,筋肉を使い続けてATPがなくなってきても,「クレアチンリン酸」がATPを再生産し続け,ATPを筋肉に供給し続けることができるわけです.
つまり,
クレアチンを摂取する
↓
体内にクレアチンリン酸が蓄えられる
↓
クレアチンリン酸がADPをATPに戻す働きをする
↓
筋肉の力の発揮が持続する
というわけですね.
クレアチンを摂取することで,筋肉を動かすためのATPを再生産することができるため,筋肉を長時間使っても,最後まで瞬発力を続かせることができる.
クレアチンのメリット
以上のことから,クレアチンを摂取すると次のようなメリットがあります.
瞬発力が上がる/持続する
単純に体内にたくさん「クレアチンリン酸」があれば,一気に筋肉を使うことができ,強い「瞬発力」を発揮できることは言わずもがなでしょう.
また,疲れてくると瞬発力が落ちて「ぐいぃぃ……」とゆっくりしか力が入らなくなるのは,スポーツ経験者なら誰しも経験したことがあることと思います.
これは疲れてATPが少なくなることで,一気に筋肉を動かすことができず,瞬発力が低下している状態です.
しかし,そのような状態でもクレアチンがはたらいて「瞬発力」が持続することもクレアチンを摂取するメリットです.
高負荷の筋トレができる
クレアチンを摂取して「瞬発力が上がる/持続する」ことから,筋トレで上げられるバーベル重量が上がる/回数が増えます.
これにより,より高負荷の筋トレができるようになります.
当然,高負荷をかけるほど筋肉は適応しようと,超回復し強い筋肉になりますから,クレアチンを摂取することは,筋トレの質が向上することにも繋がります.
クレアチンを摂取すると,ATPの回転効率が上がり,強い瞬発力を発揮でき,瞬発力の持続の効果も得られる.これにより,高負荷の筋トレをすることができ,より効率よく筋肉をつけることができる.
クレアチンの摂取
自然界において,クレアチンは肉と魚によく含まれており,食事から摂取することが可能です.
しかし,「クレアチンリン酸」はいつまでもADPをATPに戻し続けることはできず,「クレアチンリン酸」は働けば働くほどどんどん消費されて体外に排出されます.
ですから,スポーツを日常的に行なっている人は,通常よりも早く「クレアチンリン酸」が消費されるため,より多くのクレアチンを摂取する必要があります.
ですから,そのような人は意図的に食事以外からもクレアチンを摂取するのがよく,そのためにサプリメントが販売されているわけですね.
クレアチンの飲み方
市販のクレアチンはパウダー状のものが多く,飲み物に混ぜて飲むことが多いのですが,クレアチンは水になかなか溶けません.
かといって,パウダー状のまま飲もうとしても,容器の底に溜まってしまったりして単純に飲みにくいです.
これはクレアチンを摂取するとき,多くの人を悩ませる問題でもあります.
実は,クレアチンはかなり熱い湯を注がないとなかなか溶けません.
また,正直クレアチンはそれほど美味しくないので,私の場合は次のようにして飲みます.
- 少量の沸騰させた湯を注いで,完全にクレアチンを溶かし,
- ジュースやコーヒー牛乳などと混ぜて飲みます
クレアチンは一旦お湯に溶かしてしまえば,冷たい飲み物と混ぜてもそれほど再結晶してこないので,この飲み方をお勧めしています.
もしくは,夕飯の味噌汁に少し加えて飲むこともあります.こうすれば,クレアチンの味はほぼ気になりません.
クレアチンの摂取量
我々はある程度の量のクレアチンを体内に蓄えておくことができます.(上で書いたように,正確には「クレアチン」ではなく「クレアチンリン酸」ですが,簡単のためクレアチンと書いています)
これを利用し,
- 一旦貯蔵できる限界までクレアチンを摂取し,
- その後一日に消費する分だけクレアチンを消費する
という摂取方法が一般的です.
ローディング期
クレアチンを一旦限界まで体内に蓄える期間のことを「ローディング期(Loading Phase)」といいます.
ちなみに,ロード(Load)は「積み込む」や「詰め込む」という意味があるので,「ローディング期」はクレアチンをいっぱいまで詰め込む時期ということですね.
ローディング期は1週間で,この間1日20gを目安にクレアチンを摂取します.
とはいえ,実はクレアチンはなかなか水に溶けないように,消化もそれほど良くありません.なので,一度に大量に摂取するとお腹の調子が悪くなることが多いです.
一度に摂取する目安は5gで,この5gを1日4回摂取します.これで1日20g摂取したことになりますね.
ちなみに,クレアチン5gはティースプーン1杯程度です.
計算上,この1日20gを1週間続ければ,限界まで体内にクレアチンを蓄えられたことになります.
メンテナンス期
ローディング期が終わり,1日に消費する分だけクレアチンを補充する期間のことを「メンテナンス期(Maintenance Phase)」といいます.
メンテナンス期は1日5gを目安に毎日クレアチンを摂取します.
ただし,これは毎日運動するクレアチンをたくさん消費する人の目安なので,「週1しか運動しない」といった人は1日3g〜4gでも十分クレアチンを補充することができます.
サプリメントのクレアチンは「貯蔵限界までクレアチンを蓄えるローディング期」と「消費した分のクレアチンを補うメンテナンス期」で飲み方を変えるとよい.
オススメのクレアチン
実際に私が使ったオススメのクレアチンを紹介します.
クレアチン (DNS)
前回の【プロテインの記事】で紹介したように,ホエイプロテインを多く販売している紹介しました.「DNS ZONE」はクレアチンも販売しています.
プロテイン同様,クレアチンも高い純度を目指しており,不純物をできるだけ取り除いています.このように品質は非常に高いです.
値段は約3000円で300gで,1回の目安は5gですから約50円とコスパも非常に良いです.
ただ難点は,クレアチン単体で飲むと美味しくないところですが,フォローしておくと,これは純度の高いクレアチンを目指した結果ともいえますね.
また,日本製というのも安心できるポイントです.
楽天市場の取り扱いショップの多さからも,この製品の絶大な人気が見てとれますね.
クレアチン モノハイドレートパウダー (Now Foods)
先ほどのDNSのクレアチンも品質と値段のバランスが非常に良いのですが,こちらのクレアチンはコスパに全振りしたような商品になっています.
値段は3000円を切るにも関わらず内容量は1kgです.
仮に3000円としても,1回約15円とコスパが圧倒的です.
コスパの良さはもちろんですが,単純に内容量も多いのでそうそう切れることがなく,サプリメントにありがちな「買い足し忘れ」がなくなるのは地味ですがストレスが減って良いです.
正直なところ,最初は「これだけコスパに全振りしているのはなんか怖いなあ……」と思っていましたが,いざ飲み始めても別に質が悪いわけでもなく,飲んでいて感じるクレアチンの効果も問題ありません.
「とにかく安くクレアチンを手に入れたい」という人におすすめできるクレアチンです.
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