この一連の記事では,「こういう効果を得るためにサプリメントを飲んでいる」と根拠を持ってサプリメントを選ぶために必要な知識を説明しています.
今回の記事では,筋肉を大きくする効果が得られるHMBについて書いていきます.
HMBは「筋肉を大きくする効果」が得られるアミノ酸で体内でも生成されます.
また,HMBには「筋細胞の細胞膜の安定」という効果も考えられるようですが,それほど多くの研究結果があるわけではないようで,(私自身も説明に自信がないので)ここでは説明しません.
「筋肉を大きくする効果」と書くとプロテインと似たようなものかと思えますが,プロテインとHMBによる効果が得られるプロセスは全く違います.
そのため,HMBとプロテインと併用することで,相乗効果を期待できます.
また,以下の記事も是非参考にしてください.
一連の記事はこちら
【筋トレの効果を最大にする|3種のプロテインを使い分けよう!】
【瞬発力をつける/高負荷のトレーニングにはクレアチンが鉄板!】
【筋トレの効果を上げる裏技!?|HMBはこれだから凄い!】←今の記事
最初に注意喚起
最近のHMBの人気に乗じて,怪しいHMBの商品を紹介しているウェブページをよく見かけます.
ぱっと見ではすごく良い感じのページで
「めっちゃ効果ありそう!」
と思うんですが,商品ページに飛ぶと
- サプリの配合量が書いてなかったり
- 販売元が書かれていなかったり
するんですね.
商品ページにサプリメントの配合量が書かれていないような製品には,何が入ってるか分かったもんじゃありませんから,全力で避けるべきでしょう.
広告料欲しさに自分で試しもせず適当に書いてる記事も少なくないので,商品ページではHMB配合量や内容量を確認するようにしてください.
偽物ほど豪華な包装紙に包まれているものですから,くれぐれもお気をつけください…….
というとHMBに悪い印象を持ってしまいそうですが,素晴らしいHMBのサプリメントももたくさん販売されていますから,ぜひHMBを普段のサプリメントとして取り入れてみてください.
HMBの役割
冒頭でも説明したように,HMBは筋肥大に効果があるのですが,ここでプロテインが筋肥大に効果がある理由を確認しておきます.
プロテインの効果
タンパク質を摂取するとアミノ酸に分解され,それが筋肉として合成されるので,プロテインの摂取によって筋肥大の効果が得られるのでした.

このように,プロテインはプロテイン自体が直接筋肉となります.
いわば,プロテインは筋肉という「家」を建てるための材料ということができます.
HMBの効果
一方,HMBも筋肥大に効果がありますが,プロテインとは異なりHMB自体が直接筋肉になるわけでありません.
HMBを摂取することによって,
- 筋肉の合成を助ける
- 筋肉の分解を抑える
という2つの効果が得られます.
言い換えれば,HMBは筋肥大の効率を上げるサプリメントということになります.
さて,「筋肉の合成を助ける」というのは分かりやすいですが,「筋肉の分解」とはなんでしょうか?
人間はじっとしているだけでも生命を維持するためにエネルギーを消費しますが,このエネルギーのことを[基礎代謝]といいますね.
腕や足の筋肉などの鍛えることができる筋肉である「骨格筋」はあるだけでエネルギーを消費します.そのため,骨格筋が多いほど[基礎代謝]が上がることになります.
したがって,体は「あっても使わないし,エネルギーを消費するだけの筋肉は減らしてしまおう」と筋肉を分解します.
これが運動しない生活を送っているとどんどん筋肉が衰えていく理由です.
HMBはこの筋肉の分解を抑制する効果をもつ,というわけですね.
このように,HMBは間接的に筋肉量の増加に効果のあるサプリメントなので,プロテインと併用することでより大きな効果が期待できます.
HMBを摂取することにより,筋肉の合成力が高まり,筋肉の分解が抑えられるので,筋肉量を増加させやすくなる.よって,それ自体が筋肉となるプロテインと併用することで,より大きな効果が期待できる.
HMBで効果が得られる理由
HMBは“3-Hydroxy 3-MethylButyrate”の略で,名前だけを見ると,なんだか怪しそうな化学物質のような気がします.
しかし,アミノ酸の一種であるロイシンから生成される物質で,自然に体内で生成されます.決してドーピングで使われたりするようなものではありません.
さて,体内で何かの変化を起こすとき,その命令が瞬間移動的に該当部位に伝わるわけではなく,体内を伝言ゲームのように該当部位に伝わっていきます.
この体内を走る命令の伝言ゲームを[シグナル伝達]といいます.
「筋肉を合成せよ」という伝達も「筋肉を分解せよ」という伝達も,[シグナル伝達]によって引き起こされます.
さて,哺乳類にはmTOR(エムトア)と呼ばれるシグナル伝達を引き起こす酵素があります.
詳しくは書きませんが,このmTORに関連する物質が
- タンパク質の合成を促進するシグナル伝達を活性化する効果
- タンパク質の分解を抑制するシグナル伝達を不活性化する効果
を持ちます.
筋肉ももちろんタンパク質の一種ですから,この効果により筋肥大にも効果があるということになりますね.つまり,
HMBを摂取
↓
酵素mTORが活性化
↓
筋肉合成を活性化し,筋肉分解を不活性化する
という流れで,HMBによる効果が得られるわけですね.
HMBの摂取量と摂取方法
HMBの1日の目安の摂取量は1.5g〜3gで,ただ多く摂ればいいものではないことに注意してください.
また,
- タブレット(錠剤)タイプ
- パウダータイプ
の2種類ありますが,いずれも食事を摂るときや,運動前後にプロテインと一緒に飲むことが推奨されています.
ちなみに,パウダータイプのHMBは結構不味いので,水に溶かして飲むよりも味のあるドリンクと一緒に飲むのが良いでしょう.
パウダータイプは純度が高いものが多いですが,タブレットタイプはHMB以外のものと一緒に固めているので,タブレットの重さではなくタブレットに含まれているHMBの量で考えてください.
オススメのHMB
実際に私が使ったHMBを紹介します.
HMB MAX PRO (ナチュラルレインボー株式会社)
HMBの中でもこのHMB MAX PROはコスパがかなり良いです.
また,タブレットタイプなので,飲みやすいのもいいですね.
1粒につきHMBが約0.25g含まれているので,1日6錠〜12錠が目安です.
値段は1800円以下で432粒なので,1日6錠なら1日25円ですね.1日12錠でも50円です.
432粒のタイプと,360粒のタイプの2種類あるので,とりあえず試したい人は360粒の方を購入すると良いと思います.
なお,最初は手軽に購入できるものが良かったので,コスパの良いこのHMB MAX PROは私が最初に買ったHMBです.
HMB POWER BOOST (株式会社NGC)
タブレットは他の成分と一緒に固めることが多いのですが,このHMB POWER BOOSTはタブレットでありながら純度が高く,人気のある商品です.
- 純度の高いHMBを摂取したい
- タブレットタイプの手軽さも欲しい
という2つを求めるなら,このHMB POWER BOOSTはオススメできます.
純度が高い分,タブレットが小さくできているのも手軽さをアップさせています.
また,国内生産であることも,安心できるポイントの一つですね.
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